中学受験で私立と公立一貫校は併願OK?受験勉強の違いと適性検査の私立中
我が子が中学受験を決めたとき、仮に私立中学に合格した場合の学費についてとても心配していました
ですが塾の先生のすすめもあり、公立中高一貫校も志望校の1つとして考えることになりました。
一般的に公立中高一貫校は学費も安く高度な教育が受けられるとあって、その人気は年々上昇していますね。
その人気の高さゆえ、私立中学の勉強をしながら並行して公立一貫校の適性検査の勉強をすることは並大抵の事ではありません。
今回は中学受験で私立と公立一貫校は併願が可能かどうかや、その際の受験勉強の違いと適性検査の私立中学などについてお話します。
中学受験で私立と公立一貫校は併願OK?
私は二人の子供を公立中高一貫校に通わせている専業主婦です。
中学受験で私立中学と公立中高一貫校を併願することは可能です
ただし私立と公立では試験の内容や合否判定に違いがありますので、それに対応できるかがカギになります。
最近の私立中学は小学校の成績を提出するところは少なくなってきています。
提出する必要がある学校でも
- 出席日数が極端に少なくないか
- 生活態度は悪くないか
などを見る場合が多く成績については、合否のボーダーライン上にいる場合に参考程度に見るというケースがほとんどです。
いっぽう公立中高一貫校は報告書という形でおもに5,6年の3段階の学業成績が点数化され合否に直接影響するといわれています
小学校の成績は
- テストの成績
- クラスでの発言や授業態度
- 提出物
など総合的に判断される傾向にあります。
ですから中学受験の勉強ばかりしていて『宿題をやっていなかった』『夜遅くまで受験勉強をしていて授業中寝ていた』という場合には学校の評定も悪く、報告書の点数が期待できません。
もちろん報告書の点数が悪くても当日の適性検査の点数が良ければ合格は可能ですが、そういったケースは稀だと思います
また適性検査の内容は私立中学の受験問題の内容とかなり異なります。
私立中学の問題が国・算・社・理と明確に分かれているのに対し、適性検査はその4教科の融合問題のような形式です。
適性検査は記述量が多く自分の意見も盛り込む必要があるため、こういった試験形式に慣れる柔軟性がなくてはなりません
中学受験では一般的に6年生の秋より志望校の過去問題に取り組み始めます。
私立中学と公立中高一貫校では試験内容がかなり異なるため、どちらの過去問にも
- 対応できる柔軟性があるか
- 余裕があるか
がカギになります。
もちろん小学校の成績も6年生の2学期までの成績が報告書に含まれますので、手を抜けません。
6年生の秋からの追い込み時期はただでさえキツイ時期です。
精神的にもかなり追い込まれます。
併願するとなると苦労は2倍以上になりますので、それ相応の覚悟が必要です。
併願が可能か否かはお子さんの性格を見極めて判断する必要があると思います。
中学受験で私立と公立一貫校の受験勉強の違い
私立中学と公立中高一貫校を併願で受験する時にはそれぞれに勉強のやり方に違いがあります
私立中学の問題は小学校では到底習わない内容の問題が多く、特に算数は4年生から基本の問題を積み上げていく必要があります。
特に女子校の場合、国語などもかなりの長文が出題され時間との闘いになります。
社会・理科に関しては高校で習う範囲の内容が含まれていることさえあります。
また大手進学塾のカリキュラムでは4~5年生で中学受験に必要な基礎・基本問題の範囲を全て終わらせ、6年生では実際の入試問題をベースとした演習が授業の中心になります。
私立中学を受験する場合4年生までに入塾することが王道のコースで、5年生から入塾する場合は1年の遅れを取り戻すべく相当の努力が必要になります
特に算数は積み上げが必要な科目ですので、5年生から入塾したお子さんのママ友から『算数だけでも4年生から対策しておけば良かった』という話を聞くこともありました。
つまり6年生から入塾して私立中学を目指すのは相当難しいということなのです。
対して公立中高一貫校を受験する場合、適性検査の内容は小学校で習う範囲の内容を超えることはないので6年生から本格的な受験勉強を始めても遅くありません
一部難関公立中高一貫校を受験する場合は6年生からスタートでは十分な対策ができないため、5年生まで私立中受験の授業を受け、5年生の途中から適性検査の対策を行う場合もあります。
ですがたいてい6年生から公立中高一貫校の講義が始まるケースが多いです。
とはいえ幅広い知識と自分の意見を問われる問題が多いため、知識を蓄えておく必要があります
そのため新聞を読んだり、ニュースを見たり、様々な分野の本を読んで家族で意見を交換することなどが不可欠になります。
また報告書対策として、学校での生活態度や授業態度・宿題などの提出物にも気を配る必要があります
学校の成績は主要4科目にとどまらず、体育・音楽・図工など副教科の成績も含まれることも忘れてはいけませんね。
私立と公立一貫校を併願する時の注意点
私立中学と公立中高一貫校との併願で注意することは二頭追うものは一頭も得ずという状態にならないようにすることが大切だと思います
せっかく4年生(もしくはもっと小さい時から)対策をしてきても、6年生になってキャパシティオーバーになってしまい、精神的に追い込まれる6年生の秋の直前期に成績がガタ落ちするケースも多々あります。
特に4,5年生までは親の言う通りに勉強を頑張ってきても、6年生になると思春期に突入し親や先生の言うことを素直に受け入れることができず、成績に影響することもあり得ます。
私立中学、公立中高一貫校の受験のどちらか一方を頑張るのでさえ、小学生には多大な負担になります
それを両方こなす必要があるとなると、そのプレッシャーは相当なものです。
併願を考えている場合、4年生もしくは遅くとも5年生から私立受験の対策をされているお子さんがほとんどだと思います。
本格的な適性検査対策に入る6年生の春、6年生の夏、6年生の秋と各ポイントで本当に併願できるか、お子さんと親御さんでよく考えることが大切だと思います
どのタイミングであっても併願をあきらめる柔軟性も大切になってきます。
両方合格しても通える学校は1校ですから。
中学受験 適性検査のある私立中学
最近では中学受験で適性検査型入試を行う私立中学も徐々に増えてきました
適性検査型入試を行う私立中学の多くは、公立中高一貫校を目指していた優秀層を取り込むことも目的の1つとしています。
そのため偏差値50以上の学校で適性入試型入試を行う学校はかなり少なく、偏差値45以下の学校で取り入れている学校が多いようです。
※ここで言う偏差値は四谷大塚・日能研の偏差値を基準としています
公立中高一貫校のほとんどが偏差値55以上であることを考えると10ポイント以上低い偏差値の学校ということになります。
2019年に行われた入試で、適性検査型入試を行っている私立中学は首都圏で147校と増えているものの、まだまだその数は少ないと言えます。
特に男子校で適性検査型入試を行っている私立中学はたった9校でした。
一方で適性検査型入試を行っている学校が増えているのには別の理由もあります。
それは2020年度からはじまる大学入試改革です
大学入試改革では、知識や技能を活用する「思考力・判断力・表現力」を評価するテストが導入される予定で、このテストが公立中高一貫校が行う適性テストに似ているものになると言われています。
つまり適性検査型入試の対策をしてきた生徒は2020年度から始まる大学入試に強いのではないかと言われているのです
数年前までは偏差値50以上の学校で適性検査型の入試を行っている学校は皆無でした。
それがここ2,3年で難関私立といわれる学校でも導入する学校が増えたのにはこういった背景もあります。
適性検査型入試を視野に入れる場合、納得できる学校か、また通える範囲に適性入試型の入試を行っている学校があるかを把握しておく必要があります。
まとめ
中学受験を意識すれば、そこから教育費が膨大にかかってきます。
できるだけ少ない出費で学費を押さえたい、でも子供の教育もしっかりとさせたい。
そんな親御さんの気持ち、本当によくわかります。
私も2人の子どもを中学受験させるころから、多少の節約などでは全く追い付かない世界を知りました
そんな家庭の味方となってくれるのが公立の中高一貫校です。
地域の公立よりも親御さんの意識も高く、将来のことも考え熱心な指導に魅力があります。
ですが公立だからといって、全くお金がかからないという訳ではありません。
独自の教育によって教科書とは別に教材費はかかりますし、修学旅行で海外に行くところもあります。
難関大学への進学率アップを目指した教育をしているので、公立中高一貫校に通う子も予備校に行くことはごく自然です。
ここ数年で大学センター入試も変わり、小学校では英語が授業に入るなど学校教育が目まぐるしく変わる時期です。
そんな混乱になるべく巻き込まれずにお子さんが頑張れる環境を与えてあげてくださいね。
応援しています。
(`・ω・´)ゞ
関連記事適性検査での中学受験 公立中高一貫校の問題と対策方法は