算数1教科入試とは?中学受験で算数だけできる子の注意点は?
首都圏での中学受験の試験科目は主に4教科型です
いっぽう関西では、主に女子は4教科型の所が多く、男子は社会を外した3教科型の学校がほとんどです。
そして関東・関西とも、複数回にわたって受験日を設定している中学は2教科型の場合も多くあります
中学受験といっても受験の形式は様々で、最近では算数だけの1教科入試という受験もあらわれはじめています。
今回は算数の1教科入試と、中学受験で算数だけできる子の算数入試の注意点などについてお話します
算数1教科入試とは
私は二人の子供を公立中高一貫校に通わせている専業主婦です。
まず算数の1教科入試の目的について説明します。
2018年度から増えてきた算数の1教科入試は言葉の通り算数のみ、もしくは算数とプラス選択1教科での入試になります
そもそも算数の1教科入試が広まる前までは
- 2教科での入試
- 3,4教科での入試
- あるいはそのどちらかを選択する入試
が一般的でした。
ところが近年、午前入試・午後入試を実施する学校も増え、複数回受験はもはや当然のようになってきました。今までは
- 4科目入試を午前入試
- 2科目入試を午後入試
として実施してきましたが2科目入試と同様に、1科目入試を午後入試とすることで、子供にとって受験がしやすくなりました。
※1科目入試が午前入試の学校もあります
子供にとっては1教科の方が余裕が生まれるうえ負担が少ないですし、学校側にとっては受験しやすくして少しでも受験生を集めたいということがあるのでしょう
また近年謳われているロジカルシンキングができる人材を育てるという目的もあるようです。
ロジカルシンキングとは
- 試行錯誤しながら
- 論理的に筋道を立てて
- プロセスをふみ解答する
つまり問題を解決するための思考力のことを指していて、これは算数を解く力と非常に似ています。
「算数ができる子=ロジカルシンキングができる子」とは言い切れませんが算数の問題を解くにあたって使われる思考が今後重要になっていくと注目を浴びています
そして2020年度から日本でもプログラミングが必修になってきますが、日本の先を行くアメリカはSTEMをすでに進めています。
STEMというのは、Science, Technology, Engineering, Mathematicsを略した言葉で、アメリカが理系に力を入れているのはいうまでもありません。
その目的は今後も発展し続けるITやAIに強いプログラマーやエンジニアを育てることです。
そしてそういった人材を育てていくことで中学校側も進学実績が上がると読んでいるのでしょう。
算数1教科入試で中学受験するメリット
算数1教科で中学受験をすることについてのメリットやデメリットについて考えてみました。
メリットとしては算数が得意または算数しかできないというお子さんは受験がしやすくなったということです
今までの3,4科目型だと算数以外に苦手科目がある場合、せっかく算数で高得点をとっても、それ以外の教科が大きく足を引っ張ってしまうことがあったかもしれません。
ですがこの算数の1科目入試のおかげで、自分の得意を強みにしてアピールできるようになりました。
また併願校が算数の1科目入試を採用していた場合、早い段階で併願校を決めることができます。
1科目の入試では午後入試として実施する学校が多いため、他の学校との受験スケジュールが組みやすく調整しやすいこともあげられます。
算数1教科入試で中学受験するデメリット
デメリットとしては定員が少ないということです
そもそも算数の1科目受験は2018年度から増えてきた制度のため、現段階で全部の学校が取り入れているわけではありません。
各学校の募集人数はたいてい20~30名です。
出願者が定員に対してきわめて多い場合は倍率がとても高くなり、ここを狙っていくのは非常に難しくなります。
ある中学校では、定員20名に対して500名の出願があり、400名以上が実際に試験を受けたそうです。
ざっと考えても20倍以上となるため、かなりの狭き門だと言えます。
1教科入試の中学受験で算数だけできる子の注意点
算数ができる・得意な子は受験では有利と言われていますがデメリットでも述べたように算数のみで戦おうとするとライバルはたくさんいます
算数1教科で受験を挑んでくるということは、他のお子さんもまた得意だからであって、そこに同じような競争があるのは当然です。
実力そのままをテスト本番で出し尽くせるかどうかは、その時になってみないとわかりません。
これは他の教科でも言えますが、普段はスラスラ解けて模試などの結果が良くても、入試になるとテンパってしまい力が発揮できなくなってしまうことも考えられます。
ライバルが多いぶん、1点の差で結果が大きく変わってきますから普段からケアレスミスに注意して受験算数を意識した勉強に励む事が必要ではないでしょうか
まとめ
算数の1科目入試は今後増える可能性はありますが、現段階ではまだ全ての学校が採用しているわけではありません。
多くのお子さんは併願校対策に他の教科も勉強しているとは思いますが、現段階で算数の1科目入試のみの受験を考えることは、必然的に選択肢が減ってしまうということになります。
算数1教科での試験は、あくまで受験する学校の1つと考えて、算数1本に絞るのではなく他の教科も対策することが必要ではないでしょうか。