塾なし中学受験で公立中高一貫校に合格したいなら 勉強方法や問題集のおすすめは
倍率が高く合格するには高レベルな学力と対策が求められる公立中高一貫校の受検は、塾に通って対策をしてくる子供が多いのが現実です。
しかし中には塾に通うことなく合格を目指し受検をするお子さんもいます。
塾に通えば合格のためのカリキュラムが組まれて適切な学習のサポートをしてもらえますが、当然ながら「通塾すれば合格できる」というものではありませんね。
今回は、塾なし中学受験で公立中高一貫校に合格したいなら勉強方法はどうすればいいか、ということや通信教育や問題集のおすすめについてお話します
▼その他の公立中高一貫校の気になる対策や勉強方法について▼
PICK UP公立中高一貫校合格に必要な対策や勉強方法とは?塾や模試のおすすめは?
目次
塾なし中学受験で公立中高一貫校に挑む子はどのくらい?
塾なしで公立中高一貫校に受検するお子さんの明確な人数は、受検者の人数にもよるのではっきりと何人いるとは言いきれません。
ですが通信教育を利用して自宅学習で対策をしている子供も含めれば受検者の約4割ほどは通塾をしていないともいわれています。
塾はプロの講師たちが合格するための対策と情報をしっかりと用意してくれています。
そして通塾することも学習をする習慣をつけることに役立ちます。
しかし通うことで合格が約束されるわけではないので
- 塾と同じように学習習慣を身につけることができる
- 適性検査の対策が自宅でも適切にできる
ようであれば通塾せずとも合格の可能性は十分にあるのです
Z会などからも公立中高一貫校向けの対策コースがあり、そちらを利用することも厳選された教材を使う事になるので、塾と同じような対策を受けることが可能です。
このように塾なしでも合格は期待できるので、塾通いをせずに受検をする子供は受検者の中に毎年一定の割合で存在します。
塾に行くことだけが必ず合格につながるわけではないので子供に合ったやり方で受検準備を進めていくことが大切になります
塾なしでの公立中高一貫校受検の難しさ
塾なしで公立中高一貫校を受検することは可能ですが、難しいのが事実です。それは
- 自分だけで最新の入試情報を手に入れることが難しい
- 自宅で学習をしていくことは塾に通うよりも学習習慣を身に着けることが難しい
ということが主な理由です。
塾に通うことは勉強をすることだけがメインではありません。
保護者は塾から受検についてのさまざまな情報を聞き出すことができます。
保護者を対象にした面談も定期的に行ってくれる塾も多く、疑問などを尋ねれば教えてくれたり、調べたりしてくれます。
ネットにも情報はたくさんありますが、たくさんあり過ぎてどれを参考にすればいいのかわからないこともあります。
塾からの情報だとその時の一番新しい確実な情報を教えてもらうことができるのです
そして自宅では集中して学習することが困難という場合も多くあります。
小さな子がいるため集中できない場合もあるし、友達が遊びに誘いに来てしまう場合もあります。
勉強しなくてはいけないことはわかっていても実際に友達が誘ってくれたなら遊びに行きたくなってしまうでしょう。
塾に行けば遊ぶ空間からは完全に切り離され、勉強する環境が整えられている訳ですから、そこに通うことは学習習慣を身に着けることにつながるのです
自宅学習で公立中高一貫校に合格できるか?
塾なしで公立中高一貫校を受検することは難しいですが、合格することは可能です
塾に行かなくても自宅で適性検査の対策を行うことは十分可能だからです。
ただし先述の通り親御さんにかかる負担は、塾通いよりも大きくなるためサポートは不可欠です。
公立中高一貫校に合格したいなら
塾なしでの公立中高一貫校受検の勉強方法
適性検査は筆記テストですが、私立中学のような4科目教科別の学力試験ではありません
受検には多くの学校で作文もあり、決まった解答ではなく考え方を問われるような出題が多いのも特徴です。
面接を実施する学校もあります。
作文
面接
小学校から提出の書類
合格には上記から総合的に判断されます。
都立中高一貫校に限ったお話をすると、適性検査は適性検査Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの3種類になり
- 適性検査Ⅰの内容は教科だと国語で、記述式の解答を求めたり作文の問題
- 適性検査Ⅱの内容は算数・理科・社会の総合的な問題
- 適性検査Ⅲの内容は独自作成の問題
になっていて、学校によって
- 適性検査Ⅰ・Ⅱ
- 適性検査Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ
という検査方法になっています。
適性検査は小学校で習うことが理解できていることが前提ですから自宅学習の際にはなるべく早い段階で小学校6年間の学習を終えることができるような取り組みが必要です
教科書の内容をどれだけ覚えることができたかということではなく、その覚えたことを基本にどれだけ考えられるかということが重要です。
そのまま暗記するのではなく、テキストなどを使用して6年間の学習内容+応用問題もクリアできるように身につけることが大事です。
6年生までの学習を完全にマスターしたら過去問に取り組み、模試を受けて自分の現在地を確認していきましょう。
適性検査Ⅰ(国語)・作文の勉強法
私立中学では普通に出題される漢字の読み書きなどは、適性検査では出されません。
ですが解答の中で習った漢字を書けていなかったり間違えていると当然ながら減点の対象になります。
漢字や熟語・慣用句や作文用紙の使い方などをマスターすることは必須項目です
食料自給率などの社会問題について自分の考えを問われる出題も多いため、日頃からニュースに関心を持ち表現力を身につける努力も必要になります。
書くことは一朝一夕にできることではないので、作文が苦手なようなら短くてもいいので「まず書いてみること」から訓練していきましょう。
書くことに慣れたら過去問にもチャレンジしてみてください。
志望校以外の過去問でも、作文のテーマの参考になります。
また、たいていの公立中高一貫校対策の過去問などの問題集には模範解答が付録としてついています。
模範解答とされているくらいですから文章の流れが秀逸です。
自分が書くときに真似してみたいと思える文体が見つかってきたら、実際に自分でそれを真似て作文を書いてみましょう。
模範解答を真似して書いたとしても、自分の言葉で再構築されているので立派な勉強になります。
模範解答には構成だけでなく良い言い回しや表現も含まれていますから、良い部分はどんどん吸収して自分の作文に取り入れるよう練習していきましょう
日頃からニュースに関心を持ち表現力を身につける
短くても文章を書く訓練をする
テーマの参考になるため志望校以外の過去問にもトライする
模範解答には構成・言い回し・表現など良い部分が含まれているため自分の作文に取り入れるように練習をする
適性検査Ⅱ(算数・理科・社会)の勉強法
適性検査Ⅰ・Ⅱに共通することですが、基本的に適性検査では
- 複数の資料を読み取る読解力
- 課題を発見し論理的に考え解決策を探る思考力
- 問題の条件を満たしながら考えたことを相手に的確に伝えられる表現力
などが時間内にどれだけできるかが求められます。
適性検査の時間はたいてい45分ですから、時間内にこれだけのことをするとなると処理能力が必要になってきます。
膨大な情報を読み取り、必要な計算を行う時に計算ミスをしてしまったら命取りになりかねません。
公立中高一貫校は受検者数が多く倍率が高いため、1点が合否を左右します。
ケアレスミスには注意して、計算が素早く正確にできるように訓練をすることは必須です
また出題形式に慣れるためにも、志望校以外の過去問にも取り組んでいきましょう。
私が初めて過去問を見たのは会話文形式でしたが、問題文を最後まで読んでも何を問われているのかさえ理解できませんでした。
だけど慣れれば解き方のポイントがわかるようになります!
↓
必要な情報を読み取り
↓
論理的に物事を整理して考えて
↓
相手に伝わるように表現しながら解答する
この手順は複雑で独特ですが時間を計測しながら過去問をすることでトレーニングすることができます
小学校の成績
小学校から提出の書類に調査書があります。
教科は主要4科目に加えて副教科の体育・音楽・家庭科・図画工作の合計8教科が対象です。
教科の成績とは別に学校での態度や様子などについての所見や出欠席の記録が内申点の内容です
適性検査の出来具合が合否のボーダーラインにある場合、この調査書が大きく関わってくるため学校での生活も気を抜けません。
報告する成績が何年生のものかについては、学校によって違いがあります。
ちなみに我が家の地域では小学校5年生と6年生の成績の提出でした。
関連記事中学受験で公立中高一貫校を目指す時の調査書(内申書)について
塾なしでの公立中高一貫校対策に通信教育
本屋で自分でテキストを決めて対策をしていくのはたくさんある対策本から選んで、自分で作文などの添削をするのは難しいかもしれませんが通信講座を利用すればプロが選び抜いたテキストを使って学習をすることができます
指定された作文問題の添削も行ってくれるので安心です。
通塾するためにかかる時間を短縮できることもメリットです。
塾に行かなくても塾と同じようにしっかりとした対策ができ、学習習慣を身に着けることができるのなら十分に合格することは可能なのです。
塾で勉強しても自宅で勉強しても同じように対策をしていれば差はありません。
ただし、自宅学習はどうしても自分に甘くなりがちです。
少しぐらいならゲームをしてもいいとか、今日は友達が遊ぼうと言ってくれているから勉強の時間を遊ぶ時間に変更しようなどと勝手に自分の都合にあわせて予定を変更できます。
それでは学習習慣が身に付きません。
学習計画をしっかり立てて計画通りに行動できるようにしていくことが必要です。
中学受験にz会の通信教育
公立中高一貫校対策におすすめの通信教育にZ会があります。
Z会の通信教育は実績があるため人気も高く、塾に通いながらz会も使用して勉強するお子さんも割と多いです。
小学生コース専科公立中高一貫適性検査5年生・6年生というコースで対策をすることができます。
Z会は都立の中高一貫校だけではなく、全国の公立中高一貫校や難関私立中学校でも毎年高い合格実績を保っている通信教育です
公立中高一貫校の適性検査をしっかりと分析した講座があり、専用のオリジナルのカリキュラムで対策をしていきます。
教科別の基礎学力・情報整理能力・情報を運用する能力・思考力・問題の解決能力・自分の考えを表現する能力の強化を行っていきます。
例題から始め、そのあと練習問題を行うというやり方で何度も演習を繰り返していき、公立中高一貫校に合格するために必要となる力を確実につけていきます。
試験に必ず必要となる作文対策の講座もあります。
作文は自分で書いたものを添削するのは難しく、保護者も添削に自信がない人も多いでしょう。
ですからこのような講座を利用してプロに添削してもらうのがおすすめです。
丁寧に添削してくれるので、どこをどのようにすればよかったかがきちんと理解できます。
適性検査の講座と作文の講座を両方受講するのが良いでしょう。
料金も半年払いや年間一括払いであれば月額払いよりお得になります。
公式HP
公立中高一貫校の問題集のおすすめ
自宅で学習をしていくときに使用したい問題集は段階によってそれぞれレベルにあった問題集をそろえていってください。
例えば公立中高一貫校への受検対策の問題集は「銀本」と言われる問題集が有名です。
これは全国の公立中高一貫校の適性検査の過去問がずらっと並んでいます。
かなりの量の問題があり、レベルが易しいものから難しいものまでそろっています。
しかし解説がついていないこともあり、ある程度適性検査についての知識や学習が進んだ状態で取り組むべき問題集といえます。
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適性検査がどういったものなのかがまだ分からず、初めて取り組んでいくなら「親子で取り組む適性検査チャレンジノート」や「基礎からスタート!公立中高一貫校適性検査対策問題集」などが良いでしょう。
適性検査とはどういったものなのかがわかるものとなっています。
基礎からスタート!公立中高一貫校適性検査対策問題集 (朝日小学生新聞の学習シリーズ) 新品価格 |
少し慣れてきたら「公立中高一貫校わかる!適性検査45題詳細解説」がおすすめです。
レベルは真ん中ぐらいのもので、もしも全く解き方がわからない場合はヒントがついているので参考にしながら解いていくことができます。
答えのみではなく説明があるのでおすすめです。
公立中高一貫校 わかる! 適性検査45題 詳細解説 (朝日小学生新聞の学習シリーズ) 新品価格 |
最後の仕上げとして、最初に紹介した銀本と呼ばれる問題集、「公立中高一貫校適性検査問題集」で過去問演習をしていくのがおすすめです。
計画を立てて自分のレベルにあった問題集を選んでください。
まとめ
公立中高一貫校受検者の約4割ほどは塾なしで受検するお子さんだといわれています。
塾に通うことなく公立中高一貫校を受検することは可能ですが、最新の入試情報を手に入れることや自宅での学習環境などにより難しいのも事実です。
自宅学習のみで公立一貫校に合格するには、もちろん本人の頑張りも必要ですが、このようなサポートや管理を親御さんが担うことも大切になってきます
適性検査は小学校で習うこと以外は出題されませんから、なるべく早いうちに6年間の学習を完璧にマスターできるようにしておきましょう。
教科書の内容を丸暗記するだけではなく、覚えた事からどれだけ考えを発展させることができるかがポイントになります。
問題集を使ったり志望校以外の過去問も解いたり、必要なら通信教育なども併用して学習することがおすすめです。
模試も定期的に受けて、今の実力の確認も怠らないようにしましょう。
また公立一貫校の受検には小学校での成績も提出することになるため、学校での授業態度や提出物・忘れ物などについても気をつけてくださいね。
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